京都・祇園EN-LAB.で鳴らした特別な夏の夜─8月3日 今堀良昭トリオ
2025年08月14日 Filed in: ライブ
ギタリスト今堀良昭です🎸
京都を拠点に、バンドやライブ活動、ギター教室の運営、さらにオンラインでのレッスンも行っています。
8月3日、京都・祇園EN-LAB.で行われた今堀良昭トリオのライブが無事終了しました。

猛暑の中、足を運んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。外の気温もかなり高かったですが、会場内の熱量はそれを超えていました。

リハーサルの段階から、ステージと客席の間に漂う“今日は特別な夜になる”という空気が、はっきりと感じられた日です。
今回は、新作『Vintage Soul』からの曲を中心にしながらも、前作からのナンバーや、長く演奏してきたレパートリーも織り交ぜました。

アルバムの世界観をそのまま届けるのではなく、ライブならではの呼吸感とダイナミクスを出せるように、あえて曲順や展開を組み替えて挑みました。
結果、初めて来てくださった方にも、何度も聴いてくださっている方にも楽しんでいただける濃いセットになったと思います。
この日の相棒は、1966年製Fender Stratocasterと1967年製Fender Proreverb。いわばフェンダー・ヴィンテージの黄金コンビです。

1966年ストラトはラウンド指板と厚めのヘッドが特徴で、低音は粘りを持ちつつ、高音域はしっかりと輪郭を保ってくれます。
ピックアップやポット、3点スイッチは当時のオリジナル。出力は控えめですが、ハイミッドの抜けと倍音の豊かさは、現行モデルにはない深みを持っています。
トレモロアームを思い切り使いましたが、チューニングは驚くほど安定。ブリッジやペグの質感や剛性が、演奏の自由度を大きく支えてくれました。

プロリバーブは20年近く使っている相棒で、今回の会場サイズにぴったりの40W。クランチに届くか届かないかの絶妙なレンジが心地よく、ピッキングのニュアンスをしっかりと反映してくれます。
今回はモニター環境を少し工夫して、アンプの下にBOSSのDIを一つかませて微妙に前傾させました。

たったそれだけで耳への届き方が劇的に改善し、音量を上げることなく快適なモニターが可能になりました。
この“ひと工夫”はTomo藤田先生から教えてもらった現場技で、実践してみて効果を強く実感しました。
演奏面では、アルバム曲「Moonlight」ではクリーントーンとアームの揺れが気持ちよく響き、音の広がりと会場の残響が一体になった瞬間が何度もありました。
「Under the Sky」ではコンプレッションを抑えて、ピッキングとダイナミクスのコントロールに集中。
トリオ編成ならではの“間”と“呼吸”を感じられる仕上がりになりました。特に「Under the Sky」は手応えが良かったので、別途フルバージョンの映像を公開しました。
ステージを終えて振り返ると、この日は機材の調子、会場の響き、お客さんの熱量、そのすべてがいい方向に噛み合った夜でした。

演奏中、ふとした瞬間に“今この瞬間しかない”という感覚があり、その感触を残すことができたのは本当に嬉しいことです。
この勢いのまま、今堀良昭トリオは9月6日土曜日に浜松Merry You、10月11日土曜日に札幌D-Bop Jazz Club、10月12日日曜日に釧路ペパーミントレーンへと続きます。
ライブスケジュールはこちらでご確認ください
各地でこのヴィンテージギターの音を鳴らし、皆さんとその瞬間を共有できるのを楽しみにしています。
ぜひ会場でお会いしましょう。
