Fender Musicmaster Bass Ampを2台弾き比べてみた
2026年06月16日 Filed in: 機材レビュー
ギタリスト今堀良昭です🎸
京都を拠点に、バンドやライブ活動、ギター教室の運営、オンラインでのレッスンも行っています。
今回は、Fender Musicmaster Bass Ampを2台弾き比べさせていただきました。
なかなかこのアンプを2台並べて弾き比べる機会はないと思います。
もしかすると、かなり貴重な比較になったかもしれません。
Musicmaster Bass Ampという名前の通り、本来はベース用のアンプです。
FenderのMusicmaster Bass用として作られたアンプですが、近年はギタリストの間でも密かに人気があります。
僕自身も以前から気になっていたアンプでしたが、今回じっくり弾かせていただいて、かなり面白いアンプだと感じました。

とにかくシンプルなアンプ
まず1台目は、1970年代前半と思われる個体。
コントロールは本当にシンプルです。
ボリューム、トーン、インプット。
以上。
今のアンプのように、チャンネル切り替えやマスターボリューム、リバーブ、エフェクトループなどはありません。
でも、この潔さが良いんです。
ボリュームノブが電源スイッチを兼ねていて、トーンも1つだけ。
その分、ギター本体の音やピッキングのニュアンスがかなり素直に出ます。
背面を見ると、真空管がそのまま見えるような構造で、これもまたヴィンテージFenderらしい雰囲気があります。
スピーカーは12インチ。
小型アンプではありますが、12インチスピーカーが入っていることで、音にある程度の余裕があります。

ギターで鳴らしてもかなり良い
実際にギターを鳴らしてみて、まず感じたのは音の素直さです。
ピッキングのニュアンスがとてもよく出ます。
強く弾いた時、弱く弾いた時、右手のタッチの違いがそのまま音に反映される感じがあります。
これは練習用アンプとしてかなり良いと思いました。
家で練習する時、つい音が派手に聞こえるアンプシミュレータや、エフェクトで気持ち良くなる方向に行きがちです。
もちろんそれも楽しいのですが、自分のタッチやピッキングを確認するには、こういう素直なアンプがとても大事です。
良いところも悪いところも、そのまま出る。
ちょっと怖いですが、楽器の上達にはこういうアンプが一番効きます。
ボリュームは3〜4あたりでもかなり音量が出ます。
普通の部屋で思い切り鳴らすのはなかなか難しいかもしれません。
ただ、音量を上げていくと、Fenderの小型アンプらしい気持ち良い歪みも出てきます。
少し荒さがあって、でも嫌な潰れ方ではない。
ギターを弾いていて楽しくなる歪み方です。
Champとは違う魅力
小型Fenderアンプというと、Champを思い浮かべる方も多いと思います。
Champは8インチスピーカーの小ささも含めて、独特の魅力があります。
あの箱鳴り感、小さなアンプが一生懸命鳴っている感じは、やはり唯一無二です。
一方でMusicmaster Bass Ampは、12インチスピーカーが入っているので、Champよりも少し音に余裕があります。
低域も出ますし、レンジも広い。
小型アンプでありながら、ギターアンプとして使った時に意外としっかり鳴ってくれます。
『小さいアンプだけど、ちょっと余裕がある』
このバランスがMusicmaster Bass Ampの魅力だと思いました。
2台目はまったく違うキャラクター
次に弾いたのは、1970年代後半、1978年頃と思われる個体です。
見た目は同じMusicmaster Bass Ampですが、細かく見ると仕様が違います。
電源スイッチが独立していたり、ノブの雰囲気が違ったり、真空管やスピーカーも違います。
この個体は6V6が入っていて、かなりオリジナルに近い状態とのことでした。
見た目もとても綺麗で、かなり良いコンディションのアンプでした。
実際に鳴らしてみると、1台目とはかなり音が違いました。
こちらの方が低音がしっかり出ていて、全体的に元気があります。
ローとハイがはっきり出ていて、エレキギターらしい押し出しが強い印象です。
1台目が素朴で自然なサウンドだとすると、2台目はもっとガッツがあります。
見た目は似ているのに、音はかなり別物。
これがヴィンテージ機材の面白いところです。
同じアンプでも、ここまで違う
今回一番面白かったのは、同じMusicmaster Bass Ampでもここまで音が違うということでした。
1台目は、素朴で自然。
弾き手のニュアンスがそのまま出るような、ヴィンテージ感のあるサウンド。
2台目は、低音がしっかりしていて、ガッツがある。
エレキギターらしい押し出しがあり、分かりやすく気持ち良いサウンド。
どちらが良い悪いではありません。
完全にキャラクターの違いです。
僕個人的には、1台目の素朴で自然な感じがかなり好きでした。
音が作られすぎていなくて、弾いたままのニュアンスが出る感じ。
派手ではないですが、ずっと弾いていたくなるアンプです。
ただ、2台目の方が好きな方も多いと思います。
音にガッツがあって、バンドの中でも前に出やすそうな印象がありました。
このあたりは、弾くギター、音楽のジャンル、プレイヤーの好みでかなり分かれるところだと思います。
ベースアンプだけど、ギター用としてかなりアリ
Musicmaster Bass Ampは本来ベースアンプですが、ギターで鳴らしてもかなり良いアンプでした。
特に良かったのは、ピッキングのニュアンスが出やすいところ。
そして、シンプルな回路ならではの反応の速さ。
さらに12インチスピーカーなので、音に小型アンプ以上の余裕があります。
練習用としても良いですし、録音でも面白そうです。
音量を上げられる環境なら、ナチュラルに歪ませてもかなり良いサウンドが出ます。
また、12インチスピーカー搭載なので、スピーカー交換でキャラクターを変える楽しみもあります。
ただし、ヴィンテージアンプは元のバランスが良いことも多いので、交換すれば必ず良くなるというわけではありません。
このあたりもまた、機材の面白くて危険な沼ですね。
派手ではないけど、弾くほど良さが分かるアンプ
Musicmaster Bass Ampは、見た目も機能も派手なアンプではありません。
でも、弾いてみるとかなり奥が深い。
ギターの音、ピッキング、タッチ、スピーカー、真空管、個体差。
そういった要素が、とても分かりやすく音に出るアンプだと思いました。
特に今回のように2台を弾き比べると、ヴィンテージアンプの個体差の面白さがよく分かります。
同じモデルでも、年代やパーツ、スピーカー、真空管、コンディションによって音は大きく変わる。
カタログスペックだけでは分からない部分がたくさんあります。
だからこそ、ヴィンテージ機材は面白いんだと思います。
まとめ
今回のFender Musicmaster Bass Amp 2台弾き比べは、かなり貴重で面白い体験でした。
本来はベースアンプ。
でも、ギターで鳴らしてもかなり良い。
特に、ピッキングのニュアンスが出やすく、練習用アンプとしてもかなり優秀だと感じました。
そして何より、同じMusicmaster Bass Ampでも2台の音が全然違ったことが印象的でした。
素朴で自然な前半の個体。
低音がしっかりしていてガッツのある後半の個体。
皆さんはどちらのサウンドが好みでしょうか?
動画では実際に2台を弾き比べていますので、ぜひ音の違いを聴いてみてください。
YouTube『ギタリスト今堀良昭の爆音チャンネル』で公開しています。
